ゆく街の流れは絶えずして

~しかももとの人にあらず~

人生・恋愛・ナンパ・仕事・趣味等について。
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「ナンパノック@名古屋 in GW 2015」

いつか逢う貴女のために

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社会人になるまでは、非常に平凡な恋愛をしてきた。



高校生で初めて彼女ができて、童貞を卒業して。

大学生でも彼女ができて、 少し早めの夜のマンネリを経験したり、初めてフラれたりして。

社会人になりたての頃には、遠距離恋愛を経験して、これは向いてないな、と思ったりして。











この東京という街で社会人として働きはじめて数年が経ったある日。ふと思った。


そんな平均的で平凡な恋愛を送ったまま、20代という時代を過ごし終えてしまっていいのだろうか。


もっとモテるようになりたい。女性を魅了できるカッコいい男になりたい。後悔しない20代を送りたい。


そして、いずれ巡り会う一人の女性のために、男を磨きたい。






そんな単純な動機が、僕をナンパという世界へ導いた。


* * * * * *


この世界に入ってから、毎日がキラキラし始めた。


日々の出来事は驚きの連続で、それまでナンパとは無縁の世界で生きてきた僕にとって、その毎日は非常に大きな経験となった。


多くの女性に話しかけて、多くの女性と遊んで、多くの女性と交わって。


女性なんて星の数ほどいるという言葉の意味をようやく理解した。









仲間ができると、ナンパをする機会も増えた。


男の数だけナンパの仕方もある。

世の中には男が惚れてしまいそうなほどにかっこいい男がいる。

男の良さは見た目だけじゃない。


たくさんのことを学んでは、それを実行に移すために、街へ出掛けてナンパをした。







何日も連続でクラブナンパを繰り返して。


仲間たちと花見や納涼船といったイベントに出掛けては、そこにいる女性に声をかけ。


女の子と二人で飲みに行っては、どうすればこの日この子と一夜を共に過ごせるかということばかり考え。






気づけば、一年間で立てた目標に向かってがむしゃらに女性を口説いていた。



* * * * * *


ナンパを初めて1年強が経った頃、それまで自分の中で燃えていたものが小さくなっていった。


目標がなくなった事、果たして自分はこのステージにいたままでいいのかと疑問に思った事、どこか満たされない部分があった事、色んな理由が重なったのだろう。


今年に入り、自分の中でのナンパの優先度は低くなり、いわゆる普通の生活を送るようになっていた。
















きっかけは突然だった。


ある日飲みに誘われて、特に下心もなく飲みに行き、抱くこともないまま、よく遊ぶようになって。













そして先日、そのままその子が僕の彼女になった。









彼女なんて何年ぶりだろう。



それだけ自分が彼女にしたいと思える子に出会えてこなかったのだろう。


その点、今回の出来事は自分にとって非常に重要な意味をなす。





ナンパで身に付いたスキルをいかせられただろうか。

ナンパをする前の自分より男としての魅力があがったことがこの結果につながったのだろうか。



そんなことわかるはずもなく、そんなことどうでもよくて。





単純にその子を幸せにしてあげることだけを考えたい。今もそしてこれからも。



* * * * * *




このエントリーは自分に対するけじめです。


ナンパという世界で、僕は非常に多くの事を体験し学びました。


ナンパという世界で過ごした時間は、自分の人生の一部としてこれからも生き続けていくんだとは思います。







それでも、この世界にいるのはもうここまでかなと思ってます。







今後一切ナンパをしなくなるかと言われれば、それはわかりません。

全くクラブや街に遊びに行かなくなるわけではないと思います。

当然こんな短期間で魅力的でカッコいい男にになれたとも思っておらず、男磨きは死ぬまで続きます。







ただ、このブログを今後更新していく意味というものはもうなくなりました。

この世界の人間ではなくなるという意味で、僕は次のステージに向かいます。






ツイッターアカウントの行方については未定ですが、今後使われる予定はありません。

このブログ自体は残しますが、もう一切更新しないでしょう。







またどこかで会えたらいいなと思う人はたくさんいます。

また飲みに行きたいと思う仲間は大勢います。

僕からお誘いすることもあるかもしれませんが、そんな時は、またよろしくお願いします。






この世界で出会った全ての人に感謝を込めて、最後のエントリー記事としたいと思います。




* * * * * *



また今日もどこかで誰かがナンパをし、そしてどこかで誰かが抱かれて。

街の姿は、流れる河のように絶えず移り変わり、街に流れる人々はすぐに同じ元の人ではなくなっていく。





僕のこの先の人生も、そんなふうに絶えることなく移り変わって行くんだと思います。

それでも、そこで過ごした体験は自分の体験以外の何物でもなく、そこにいたという事実は決して変えられない。

その中で何を学んで、何を感じて、そしてどうしていくか。


これからもずっと、その繰り返し。











なんてね。



とみー


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【解答】センター試験 国語(小説)

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受験生のみんなこんにちわ。

今回は、先日のセンター試験問題風のエントリーについて、解答を解説を交えつつ書いていきます。

解答発表の前に、センター試験国語攻略の基本をお伝えしておくと、それは時間配分と消去法です。

20分という短い時間で問1から問6までを解答しなければなりませんが、これは結構大変です。
(本番は80分で現代文、小説、古文、漢文を解答しなければなりません。)
題材となる文章を一から読んでいては確実に時間がなくなるので、文章は問に関係する部分とその前後のみを読むようにしましょう。
例えば先に問から読み、問を理解した上で文章を読んで解く、という手法もあります。

また選択式の問題を解く際には、確実に間違いである選択肢をどんどん消して行きましょう。
残っている選択肢が多いと焦ったり悩んだりして無駄に時間をロスすることになりますが、選択肢を少なくすれば落ち着いて冷静に問題を解くことができます。難しいと感じる問題でも確実に間違っている選択肢は必ずありますから、そういったものを目の前から消して行きましょう。

なお、配点はそれぞれの問題によって異なりますが、合計で50点満点です。
以上を踏まえて問1から解説していきます。

* * * * * *
問1(配点:9点(各3点))
【解答】
 (ア)③
 (イ)④
 (ウ)①

【解説】
センター試験国語の定番問題。言葉の意味を選ぶ問題です。
最初から意味を知っていれば簡単に解けます。
意味を知らない場合でも、文脈から解答を絞ることができます。

(ア)半ば呆れ顔でについて、「呆れ(る)」とは、心理的に好ましくないものに対してその意外さに驚くという意味です。
文章中では、私が全く脈のなさそうなふてこい女に男がお酒をおごっている場面を見てその表情になっていますが、こんな光景を見てばからしいと思わないナンパ師はいませんよね。とはいえ見ず知らずの男女の仲などに強い興味を示すわけでもなく、その辺りが「半ば」というワードに見え隠れしています。
(イ)端然とした態度について、「端然とした」とは、思いわずらうことがなく、さっぱりしているさまを意味します。
文章中において、私は「勇気を出して」「目を見つめて」彼女を口説いている一方で、「昂ぶる気持ちを必死に押し殺し」ています。ここからも、「冷静に」「迷いなく」という意味であることが推測されます。
(ウ)はにかんで笑いながらについて、「はにかんで」とは、恥ずかしがってという意味です。
私が彼女に急にキスをした後、家に誘ったことに対して、恥ずかしそうにそれに応じているという場面です。少し前の部分で彼女が「まんざらでもない表情と困った表情の2つをにじみ出」しているというのもヒントです。

*
問2(配点:7点)
【解答】


【解説】
私の心情を読み取るという問題です。傍線部周辺の文章を頼りに解答を選びましょう。また消去法も使っていきます。

「怪訝そうな」とは怪しんだような、不思議そうな、という意味です。彼女に特段興味を抱いていなかったとも書いていることから、傍線部の意味を詳細に説明すると、彼女は私がこちらを見ていることに対して怪しみ不思議な表情を浮かべており、それを見た私は、特に話しかけようとは思っていなかったが、ほとんど自分の意思によらず彼女に話しかけた、ということになります。ここからもう答えは出てきますね。
また選択肢を一つずつ見ていくと、①と③は「彼女に話しかけるタイミングを伺っていた」が誤りというのがわかりますね。④は「彼女から話しかけられても全く話さないでおこうと決めていた」とまでは読み取れないですし、彼女は決してタイプではないと説明している文章からしても、彼女が「美しく端正な顔立ち」をしているわけではないのがわかります。⑤も「話しかけるつもりだった」わけではないので、その点が誤りです。

*
問3(配点:8点)
【解答】


【解説】
私の心情の変化について読み取る問題です。傍線部だけを読んでも問題は解けないので、問1も踏まえながら傍線部までの文章をよく読みましょう。すると、私は彼女に対して興味を特に抱いていなかったのに、ふとしたきっかけで話しかけてから、だんだんと打ち解けてきて、会った瞬間はわからなかったが彼女が非常におしゃれだということに気づき、いつしか素敵な女性だと思うようになっている、という流れであることがわかります。

選択肢①は「彼女と最初に会った瞬間から彼女の笑顔に心を奪われ」という点が明らかに違います。②は「彼女からの強い好意を感じるようになり」ということが読み取れる箇所はなく、私の彼女に対する気持ちは熱くなっているので、「自らの彼女に対する感情との乖離」は生まれていません。③については、私は彼女とのクラブでの会話を楽しめていると説明する部分があるので、「平凡な会話」をして「眠気が襲」ってきているわけではないことがわかります。⑤は「感謝の気持ちを見出している」ことを説明する部分がありません。

*
問4(配点:8点)
【解答】


【解説】
私の推察する彼女の心情について答える問題です。ポイントは彼女がどう思っているか、ではなく、彼女がどう思っているかについて私はどう考えているか、を読み取る問題だという点です(彼女がこの時本当はどう思っていたかという真意については問題作成者もわかりません)。したがって、傍線部前後の私の行動から、私の彼女の思いに対する考えを読み解き、答えを導き出します。
傍線部直後に私がキスをしかけ、かつ10秒という長い時間成立している、そしてその後私が彼女を家に誘っているという点が大きなヒントです。それまでの普通の会話をから一歩踏み出す行為に及んでいるため、私は彼女があともうひと押ししてほしいのではないかと思っているということになります。

①は「無理に嬉しそうに振る舞」われても、そのタイミングでキスはしかけないでしょうし、ましてやそれが成立することはないでしょう。③は「その日に何度も同じようなセリフを言われたであろう」ことはその時の私にはわかりません。⑤「とりあえず嬉し」くされても、キスはしかけませんよね。④は難しいかもしれません。この場合でもキスをしかけるでしょうから、こちらを選んだ方は多いと思います。ただ、彼女が「強い嬉しさ」を感じていると私が感じ取っている描写が文章中にありません。文章をよく読むと、彼女からの私に対する強い好意を表すような部分がなく、彼女が私に強い好意を抱いていることまでは私は思っていないことがわかります。

*
問5(配点:8点)
【解答】


【解説】
私の行動の理由を選ぶ問題です。文章冒頭からの私の心情の変化をよく読み取っていれば容易に答えられる問題です。

①カップルのように仲睦まじく話していたのに、「昼食を誘っても絶対に断られるだろうと思っていた」わけはないので、その点が誤りです。同じように②「早く帰ってほしかった」わけでも、③「これ以上彼女のために時間を割くのはもったいないと思っていた」わけでもありませんね。④別に昼食や朝食の話ではないことは明らかです。

*
問6(配点:10点(各5点))
【解答】
③⑤

【解説】
文章全体について答える問題です。全体といっても、改めて文章全体お読む必要はなく、これまでの問題を解いてきた中で読むことが必要な文章だけで解ける問題です。明らかに誤っている選択肢を消していけば、自ずと答えとなる選択肢が残ります。なお、正しい選択肢を「二つ」選ぶ問題ですので注意が必要です。

①「両者の乖離していく心境の変化」とありますが、乖離していることが直接的に表現されている部分ありません。また、彼女の感情が直接描かれた部分は皆無で、最後まで彼女が何を考えていたのかは、この文章からは読み取れないようになっています。
②は途中までは合っているのですが、私は「その日常と非日常をしっかりと割り切ることができている」わけではなく、むしろ、彼女との別れの寂しさを振り払おうとするも、最後まで振り払うことができず、日常と非日常を切り替えることができていません。
④「表面上だけでもクラブの中では海外の紳士のように振る舞おうと必死になっている私の姿」という部分が誤りです。クラブに入って浅い時間の私は特に紳士のようにふるまおうとしている素振りは見せておらず、必死になっているような描写もありませんね。

正解は③及び⑤です。
③は段落ごとにその時の時間を示している点、「私は」という一人称で文章が書かれている点、「白雪姫のような」、「気分は指揮者」というような比喩表現を用いている点で正解です。
⑤も、段落構成によって私の心情が変わっている点、「!」や「?」、「(笑)」という表現を用いている点、私が、一夜限りとわかっていながらも彼女に恋をしかけてしまっており、LINEの返信がないことにがっかりしてしまっているという普通の男子であるという点について正解です。

以上、解答及び解説でした。


* * * * * *

さてみなさんは何点だったでしょうか。

ちなみに私は学生時代センター国語が非常に苦手だったんですが、本番ではなぜか運に恵まれ模試でも出したことのない点数を叩き出し、おかげで浪人せずに済みました。
ぶっちゃけセンター試験なんて運でなんとかなるもんですよ。でも学生のみんなは運任せにせずにちゃんと勉強しましょうね。



今回は、題材となる文章から問題まで全て一人で作ったものなので、本物のセンター試験よりもずっとクオリティは低かったと思います。

ただ、センター試験の過去問を見ながら結構緻密に書いたので、問題の出し方は似せたつもりです。
来年のセンター試験を受験する学生には、今の時期であれば腕試し程度になればと思います。



今年のセンター試験はもう終わりましたが、来年受験を控えている諸君に一言。


ナンパも受験も、フライングやスピード違反はない。


いつやるの。


今でしょ。



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センター試験 国語(小説)

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 次の文章は、主人公である私(本ブログの筆者)が体験したとあるクラブでの出来事である。私は友人達と久しぶりにクラブに来て、お酒を飲みながら踊るなどして楽しんでいた。これを読んで後の問(問1~6)に答えよ。

* * * * * *

 時刻は午前2時をちょうど回ったところだった。嫌がらせかと思うほどに聴き飽きた過去のヒットチューンしか流さない選曲に嫌気がさしてきたため、私は残り一枚となったチケットを使いドリンクを購入しようと、人込みを掻き分けてバーカウンターへ向かった。一緒に来ていた友人達は、最初から音楽などに一切の興味を示さず、今日のお目当ての女性を探すため、既にクラブ(注1)の中で散り散りになっていた。
 金曜日。クラブにいる客は、入店した時間に比べて倍以上は増えたと思われる。やっとの思いでたどり着いたバーカウンターには先に男女二人組が並んでいた。
 「お酒は何が好きなの?」 
 ぱりっとしたスーツを着た背の高い男性がクラブの騒音に負けないように声を張り上げて言う。 
 「シャンディーガフ(注2)。でも今日はモスコミュール(注3)が飲みたい。」
 黒いワンピースを纏った華奢な女性が一切の感情を失くしたような愛想のない返事を返すと、男は折りたたまれた財布から千円札を二枚出してカウンターの向こうにいる店員に渡し、お酒を受け取る。
 私は、(ア)半ば呆れ顔でその光景を目で追いながら、男女がいたスペースへ歩を進め、店員に、
 「ブラッディメアリー(注4)を一つ。」
 と告げた。トマトはアルコールの分解を早めるという嘘か誠かわからない情報を聞いてからというもの、私はほとんど必ずお酒の場でそれを頼むようにしていた。
 カウンターにもたれながら煙草に火をつける。朝まで体力はもつだろうか、そんなことを考えながらドリンクを飲んでいると、小柄でショートカットの髪型の女性が私の隣にやってきた。私と同じような姿勢になると、持っていた大きなスマートフォンを弄りだす。
 特に彼女に興味があったわけではなかった。既に先五mm程が灰になっている煙草を味わうついでに彼女がスマートフォンを操作しているのを見ていると、視線を感じたのか、彼女が私の方に顔を向けた。
 一瞬だけ目が合う。Aその時垣間見えた彼女の怪訝そうな表情が、勝手に私の口を動かした。
 「やあ。大きなスマホ(注5)だね。君の顔より大きいんじゃない?」
 あながち冗談とも言い切れないほど、彼女の顔は小さかった。
 「いやいや(笑)。でもこれ本当に大きくて使い辛いんですよね。」
 「確かに、全然スマートじゃないね。ただのフォンだ。Phone。」
 別に面白いことを言ったつもりはなかったが、彼女は賛同しながら笑った。その笑顔が私の首の後ろあたりで張り詰めていた糸のようなものを一気に弛ませた。同時に、私の中の彼女に対する興味が湧き出し始めたのを感じ、ネクタイをキュッと締め直した。
 「そのケースはかわいいね。なんだろう、エジプトの壁画みたい柄で。」
 「それ褒めてないですよね(笑)。ネイティブ柄(注6)!かわいいでしょ。」
 「好きなんだ。もしかして待受け画面はクレオパトラ?いやツタンカーメンかな?」
 彼女は「どっちだとしてもやばい(笑)!」などと言いながら、小さな両手を起用に使ってその手帳型のケースを開き、大きなスマートフォンのホームボタンを押して起動させた。
 「かわいいでしょ!」
 実家で買っている犬の画像が待ち受け画面に設定されていた。猫好きの私は、普段よりも増して大げさに賛同した。犬の話から、猫そして猫アレルギーの話など、頭に浮かんできたとりとめもない会話を続けた。決して私の好みの顔立ちではなかったものの、彼女の愛嬌のある笑顔と気さくな反応のおかげで、気づけば久しぶりにクラブでの女性との会話を楽しんでいた。
 「そういえば、立ちっぱなしで辛くない?」
 彼女からの賛同の返事を聞くと同時に、彼女の手をとって空いていたシートに向かった。
 服装の話をすると、彼女はさらに口数が増えた。褒めつつ、かつ小馬鹿にしながら、私は彼女の服装について感想を述べた。白雪姫のような薄いイエローのスカートに、深紺のタートルネックのニット。首元には小ぶりのモチーフのネックレス。彼女は確かにおしゃれだった。B私は、彼女と目を合わせる度に彼女と目を合わせ辛くなっていくのを感じていた
 
 午前3時を過ぎてしばらく経とうとしていた。普段ならとっくに寝静まっている時間が続く。彼女との会話はアップテンポで続いていたが、酔いもあって、思考と発言の間のラグ(注7)が大きくなくなるのを感じ始めた。スーツパンツの右ポケットから目薬を取り出し、右目、左目と順番にさす。目をぎゅっと瞑って、ばれないように一つ深呼吸をした後、アクセルを踏みっぱなしで続けていた会話に急ブレーキをかける。気分は指揮者。フォルテから突然ピアノに転調させるようにタクトを振るう。
 「酒言葉って知ってる?」
 彼女の頭上にクエスチョンマークが浮かぶのが見えた。
 「花に花言葉っていうものがあるように、カクテルやお酒にも酒言葉ってのがあるんだよ。」
 へえ、と彼女は答えた。
 「君が飲んでいるキール(注8)は、確か『最高のめぐり逢い』だったはず。それを頼むということは、そんなにオレと会えてよかったと思ってるの??(笑)」
 自分と会えて良かったと思ってくれてありがとうという感情を7割、君からそんなにアピールされても困るよという感情を3割といった感じのブレンドで言葉を投げる。
 「そんな言葉があるんだ!そうそう、ホントは知っていて注文したんだけど、よく気が付いたね(笑)!笑 さすが!」
 「嘘つけ!(笑)」
 彼女とは昔から友達だったんじゃないかと錯覚してしまうほど、意思疎通できているように感じた。
 「ちなみに、ブラッディメアリーの酒言葉は知ってる?」
 「んー、、、知らない(笑)。」
 「だろうな(笑)。ブラッディメアリーは『私の心は燃えている』だよ!ほら、ご存じのとおり、よく心燃えるしね、オレ。」
 「知らないし(笑)!むしろなんか落ち着いてるし、冷たそう、鉄の血通ってそう(笑)。」
 「いや、誰が鉄血宰相ビスマルクだ(笑)。冗談は置いておいて、君に燃えてるのはホントだよ。笑った顔もすごくかわいいし。」
 昂ぶる気持ちを必死に押し殺し、勇気を出して、(イ)端然とした態度で目を見つめて言った。Cまんざらでもない表情と困った表情の2つをにじみ出す彼女に対して、キスをしかける。唇が重なる。約10秒、時が止まるのを感じた。
 「ブラッディメアリーの酒言葉はもう一つあって、『断固として勝つ』という意味があるんだよ。もう疲れたし、そろそろクラブを出ようと思うけど、今日は断固として君を連れて帰るよ。」
 「うまいこと言ったつもり(笑)?」 
 「口下手だからしょうがない(笑)。嫌なら嫌とはっきり言う、OKならオレの手を掴む、さあ。」
 差し出した手を(ウ)はにかんで笑いながら彼女が握った。

 自宅の時計はちょうど午前5時を指していた。シングルサイズのベッドの上に、生まれたままの格好の男女が、布団を被りながら肩を寄せ合い仲睦まじく話していた。客観的に見れば、付き合いだしてすぐのカップルそのものだ。むしろ主観的にもそうなんじゃないかと、疲れと眠気で機能が低下した私の頭の中で現実と理想が混じり合っていた。彼女の前では、普段の自分でもなかなか見ることのない自分をすっかりさらけ出すことができていた。
 「ねえ、もう一眠りした後、お昼でも食べに行かない?」
 D自分の発言に自分で少し驚いた。
 「うーん、、、今日はお昼から予定があるから、また今度行こう!」
 彼女はそう言うと、脱ぎ散らかされた服を着始めた。黙って見つめる。しばらくして、私も服を着た。
 「駅まで送っていくよ。」
 小雨が降る中、傘を1つだけ差して歩く。何事もなかったかのように、最初に会ったときと同じような程度の会話をしながら駅まで進む。家から駅までの距離が、いつもより近く感じた。
 「ここまででいいよ。」
 彼女の言葉で二人は立ち止まった。
 「連絡先交換しておく?」
 彼女は少し考えた後、大きなスマートフォンを取り出した。「する」の言葉が二つ返事で返ってくると思い込んでいた私はその妙な間に少し不安を覚えながらも、私はLINEアプリ(注9)のID検索画面に自分のアカウントのIDを打ち込んだ。私のアカウントが表示されたことを確認して、彼女の小さな手にスマートフォンを返した。
 「じゃあまたね。」
 「うん。」
 帰り際に見せた彼女の笑顔と、その日に出会った女性と一夜をともに過ごしたという達成感に包まれながら、帰路につく。彼女の口から「またね」というワードが出てこなかったことに対して感じた不安を振り払うためか、非日常から日常へ戻ろうとその感覚を取り戻すためか、早朝にもかかわらず客が5,6人ほどいたコンビニエンスストアに入り、一人で食べることになった昼食を購入し家に戻ると、そのままうなだれるようにベッドに倒れ込んだ。

 目覚めると、枕元の目覚まし時計は午後3時30分頃を表示していた。寝ぼけながら無造作にスマートフォンの電源ボタンを押し、LINEアプリを起動させる。彼女とのLINEのトーク履歴には、朝方に私から送ったスタンプだけが表示されていた。そこに「既読」という文字がないことを確認すると、私はふてくされるように再度夢の中に逃げ込んだ。


(注) 1 クラブ---ダンスミュージック等を大音量で流して、曲に合わせて客が踊る店。酒類等の飲食物も提供している。
     2 シャンディーガフ---ビールベースのカクテル。ジンジャエールで割ったもの。
     3 モスコミュール---ウォッカベースのカクテル。ライムとジンジャエールで割ったもの。
     4 ブラッディメアリー---ウォッカベースのカクテル。トマトジュースで割ったもの。
     5 スマホ---スマートフォンの略称。
     6 ネイティブ柄---ネイティブアメリカンの民族の時代の織物のような柄。作中の彼女のスマートフォンの柄は実際のネイティブ柄というよりは、単純な幾何学柄模様をしている。
     7 ラグ---「差」のこと。
     8 キール---ワインベースのカクテル。カシスリキュールを加えたもの。
     9 LINEアプリ---無料で通話や会話が利用できるアプリケーション。


* * * * * *

問1 下線部(ア)~(ウ)の本文中における意味として最も適切なものを、次の各郡の①~⑤のうちから、それぞれ一つずつ選べ。

 (ア)半ば呆れ顔で 
  ①やる気のない表情で
  ②怒りをあらわにした顔つきで
  ③驚きばからしいと感じた顔で
  ④切ないような表情で
  ⑤感動で今にも泣きそうな顔で

 (イ)端然とした態度
  ①無愛想で不親切な態度
  ②イライラしたような態度
  ③興奮して活気づいた態度
  ④冷静で迷いのない態度
  ⑤柔らかく愛情のこもった態度

 (ウ)はにかんで笑いながら 
  ①恥じらいを見せて笑いながら
  ②明るく朗らかに笑いながら
  ③表情を崩して大きく笑いながら
  ④冷静に淡々と笑いながら
  ⑤こらえきれずに思わず笑いながら

*
問2 傍線部A「その時垣間見えた彼女の怪訝そうな表情が、勝手に私の口を動かした。」とあるが、このときの私の心情はどのようなものか。その説明として最も適当なものを①~⑤のうちから一つ選べ。

①彼女に話しかけるタイミングを伺っていた矢先、ちょうど彼女から目を合わせてくれたため、この機会を逃すまいと勢いよく話しかけた。
②彼女に話しかけるつもりはなかったが、彼女が不思議そうな表情で見つめてきたことで、無意識に彼女の行動を眺めてしまっていたことに気づき、気まずくなるのを嫌い話しかけた。
③彼女に話しかけるタイミングを伺っていたものの中々話しかけられない自分に対して苛立ちを感じていたが、彼女が私に興味を示すような目でこちらを見てきたため、安堵して話しかけた。
④彼女から話しかけられても全く話さないでおこうと決めていたが、こちらを向いた彼女の美しく端正な顔立ちを見て、思わずこちらから声をかけた。
⑤友人達とも離れてしまって暇だったため、煙草を吸い終えてから彼女に話しかけるつもりだったが、彼女がこちらを見たタイミングを利用して暇つぶし程度に話しかけた。

*
問3 傍線部B「私は、彼女と目を合わせる度に彼女と目を合わせ辛くなっていくのを感じていた。」とあるが、文章冒頭からこの部分までの私の心境はどのように変化しているか。その説明として最も適当なものを①~⑤のうちから一つ選べ。

①彼女と最初に会った瞬間から彼女の笑顔に心を奪われ、話しているうちにいつの間にか恋愛感情を抱くようになってしまっている。
②彼女にはそれほど興味をいだいていなかったが、話すうちに彼女からの強い好意を感じるようになり、自らの彼女に対する感情との乖離にいたたまれない気持ちになっている。
③彼女と会った時はまだ眠気もなく目もぱっちり冴えていたが、彼女と平凡な会話をしているうちに、眠気が襲い始め、目も乾いてきて、目を開けているのが辛くなってきている。
④彼女にはそれほど興味を抱いていなかったが、話すうちにいつの間にか打ち解けてしまっており、心なしか彼女が非常に素敵な女性だと思い始めてきている。
⑤彼女には全く興味がなかったものの、彼女の気さくな笑顔と明るい口調のおかげでこの空間を存分に楽しめていたため、彼女に感謝の気持ちを見い出している。

*
問4 傍線部C「まんざらでもない表情と困った表情の2つをにじみ出す彼女」とあるが、このときの私の推察している彼女の心情はどのようなものか。その説明として最も適当なものを①~⑤のうちから一つ選べ。

①突然口説き文句のようなセリフを言われて動揺しているものの、なんとかその動揺を隠そうと無理に嬉しそうに振る舞っている。
②思わず自分に対する好意を伝えられ動揺しているが、それでも多少の嬉しさは隠しきれずもうひと押ししてほしいという気持ちが表情に自然と浮かび上がっている。
③その日に何度も同じようなセリフを言われたであろうからもう飽きてしまっていそうだが、それでも私から言われたのは特別であるため、とても嬉しく感じている。
④突然の言葉に強い嬉しさを感じたが、自ら嬉しいという気持ちを口に出すわけにもいかず、どうすればよいか困っている。
⑤今まで楽しく話していたのに、急に落ち着いたトーンとセリフを不思議に思い困ったものの、とりあえず嬉しそうな気持ちを表情に表わしている。

*
問5 傍線部D「自分の発言に自分で少し驚いた。」とあるが、なぜ私は「驚いた」のか。その理由の説明として最も適当なものを①~⑤のうちから一つ選べ。

①昼食を誘っても絶対に断られるだろうと思っていたにも関わらず、自信をもって彼女を誘ってしまい、自分の愚かさを感じたから。
②疲れていて、二人でシングルサイズのベッドに寝るのは嫌だったため、早く帰ってほしかったのに、それ以上に空腹が激しかったために思わず昼食の話を出してしまったから。
③彼女と楽しいひとときを過ごせたのは確かだが、これ以上彼女のために時間を割くのはもったいないと思っていたにも関わらず、彼女の楽しそうな表情を見て、つい誘ってしまったから。
④このまま朝食を食べに行こうと誘うべきところを、昼食を食べに行こうと誘ってしまい、しまったと思ったから。
⑤当初は自分の好みではない彼女に対して興味を抱いてなかったが、いつの間にかすっかり彼女の魅力に魅了されてしまっており、もっと一緒にいたいことを何の遠慮もなく口にしてしまったから。

*
問6 この文章に関する説明として適当なものを次の①~⑥から二つ選べ。
①この文章は、会話を中心とする構成となっており、会話の中では私や彼女の感情が直接的に表現されていたり、私の周辺の環境に対する捉え方が具体的に書かれていたりして、両者の乖離していく心境の変化が非常に伝わりやすい文章になっている。
②「早朝にもかかわらず客が5,6人ほどいたコンビニエンスストアに入り、」という一文に見られるように、所々に何気ない日常生活の風景を映し出すことで、私の一連の体験が日常の中に非日常を見出したものであり、その日常と非日常をしっかりと割り切ることができている私が描写されている。
③この文章は、経過する時間をその場その場で読者に伝えることで、私の彼女に対して強くなっていく感情の移り変わりを臨場感を出しながら表現しており、かつ、私の心情を一人称で語りながら比喩の手法を用いたりして詳細に描き出している。
④文章中に「です・ます調」を一切使用しないことで、私と彼女のくだけた仲の良さを表現することができており、また酒の名前や彼女の服装などについてカタカナ言葉や英語を多用することで、表面上だけでもクラブの中では海外の紳士のように振る舞おうと必死になっている私の姿を間接的に描いている。
⑤この文章は、彼女との出会い、彼女との駆け引き、彼女との別れ、そしてその後、という四段構成になっており、また、「!」や「?」、「(笑)」といった表現を会話中に用いることで、私と彼女の表向きの感情を表現しつつ、普通の成年男性と何ら変わらない私の本来の性格については、要所で描かれる感情に関する描写や私の行動で細かく読み取ることができる。


* * * * * *

解答は後日。

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